千紫万紅~multitude of colors~

同人サークル「千紫万紅」の公式ブログです。短編小説始めました。 multitudeofcolors@yahoo.co.jp
カテゴリー  [ 無能な助手と天才少女(短編連載) ]

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第二話

 第二話「日音言己ハ○ソ編」


     ◇◇◇


 ……どうも、一週間ぶりだ(俺にとっちゃ三週間ぶりなのだが)。前回のを見た人ならば俺のことも分かるだろうが、一応自己紹介をしておこう。俺の名前は榊原友治、現役大学生だ。割と学力の高いところへ通わせて貰っている。
 さて今回もまた、アイツがわけのわからないものを作ってきたので、それに関して話そうと思う。……そのせいで一週間は死んでいたのは、ここで言う話じゃあないか。


     ◇◇◇


「ねえ」
「…………なんだ?」
 俺は、手元にある文庫本から目を離した。そして、今頃やってきた白衣ペッタン――もとい田石愛が仁王立ちで入り口に構えているのを見る。いつも通りの愛だった。
「どうしたんだ、白衣ペッタン」
「貴方がわたしの事を心の中でなんて呼んでいるのかはっきり分かったわ。とりあえずアイアンメイデンで手を打ちましょう」
「申し訳ございませんでしたっ!」
 あ、危ない……。危うく俺は平成のこの世で死ぬところだった……。コイツなら即興で作りかねない。
「……で、なんなんだ? 今回は」
 最上級の土下座から直り、俺は訊く。前回もこれと似たような場面から始まった気がするのは気のせいに違いない。
「よく聞いてくれたわ、無能」
「だから無能じゃねえから」
これでもこの大学も難関大なんだからな? マジ入るの苦労したんだぜ……。
「今日は貴方に食べて欲しいものがあるのよ」
「……嫌な予感がそこはかとなくするのは、気のせいか?」
 愛がガサゴソと鞄の中を漁ってその何かを探しているようだった。つか鞄あったんだな、コイツにも。
「ああ、あったわ。これよこれ」
「なんだ、それ?」
 愛の握っているそれは、四角い形をしている。アルミホイルに包まれていて、中身までは分からない。
 いつもいつも、愛は大学のこの理科室で発明をするのではなく、家でなんとなくアイディアが出たのをそのまま作るらしい。確かに、ここで作っているのを見た事が無い。あの前回のもしもボック○だって、リヤカー使って持ってきたとか言っていた。……ホント、何したいんだか天才の脳の構造はわけ分からん。
 おっと話が逸れたようだ。ここで話を戻そう。
「これはね、ちょっとある人に頼まれたのよ」
「ある人?」
 珍しい。愛が自分のためにではなく、他人に頼まれて作るとは……。明日雨かな。
「明日雨かな」
「……声に出てるわ」
 え、愛さんなぜそんなに怒っていらっしゃるのでしょうか…………? こ、怖いですよ。
「……無能はもう放っとくわ。――で、頼まれた人に会って渡したいんだけど、渡せるわけがないのよね」
「どういうことだ?」
「これを作ってくれって言ってきた人が、わたし達とは次元が違うのよ。もちろん居る場所も、ね……」
「……?」意味がよく分からんぞ。
 すると、愛が俺の事をまさに可哀想なものでも見ているかのような目付きで、見てきた。
「な、なんだよ?」
「……いや、無能もそこまで行くと、残念すぎて……ね」
「喧嘩売ってんのかテメエ!」
 さすがに怒るぞ、俺だって。
「騒がないでくれる? いちいち五月蝿いわ。ずべこべ言わずに食べればいいのよ」
「誰に作ってくれって頼まれたのかは話してくれないのな!」
「ああ忘れてたわ」
「重要! そこ重要だから!」忘れるな!
「…………分かったわ、きちんと話すわよ」
 愛がそう言って、少し俯いた。目はどこか切なげである。
「で、次元が違うとかって言うのはね……」
「ああ、何だ」
 愛は、俺からというより現実から逃げるように目をそらした。
「これ、雨下に作れって……言われたのよね」
「確かに次元も住んでるところも違うな!」
 無条件で納得したよ。どうせテスト前に泣きついたんだろうよ。そんな気がするぜ。
 だが問題はもう一つある。
「……それは分かったが、一体これはなんだ?」
 食べろ、と言っていたからには食べ物だろう。四角いので食べ物……若干薄く、コミック一冊分くらいの縦幅と横幅をしている。
「見れば分かるわ」
「見れば分かるって……」
「とりあえず、今回もまた○ラえもんネタね」
「またぁ!?」
「何よ、悪い? ドラえ○んは世界中で人気よ」
「確かに頭空っぽにして読める漫画だけどさ……」あれはあれで考えてみると意外と深いんだよな、ドラ○もん。
「ド○えもんで食べ物……? 翻訳こんにゃくとか?」
「あら、無能のクセに惜しいわね」惜しいのか。せめてどら焼きとか……はあるか、すでに。
「はい、これ」
「ああ」
 愛からその四角い物体を受け取った。ん? すこし柔軟性があるぞ?
「これは……パンの感触だな」
「そうね」
 適当な返事が返ってきた。
「じゃあ暗記○ン?」
 なんとなく言ってみた。
「そうね」
 適当な返事が返ってき……えっ?
「……スゲエのか凄くねえのかって訊かれちゃやっぱ凄いんだろうが、その前に一つだけ言わせて貰う。その適当な返事は何なんだ!」
「わたしのデフォルトね」
「せっかくの驚きがお前のデフォでたった今完全に殺されたんだが」
「驚きって言ってもどうせ冒頭のタイトルで分かるでしょう? それで分からない人間が居るのならそいつらはクズね」お前はなんてことを。
「ちなみに使い方は本家を見てくると良いわ。ウ○キペでも良いかもしれないわね」
 まあ使い方知らない人なんてほとんど居ないでしょうけど、と付け足す。上から目線過ぎるだろ……。何様だ。
「ほら、食べてみなさい。味は保障しないけれど」
「そんなモン誰が食うかっ!」せめて味を保障しろ。
「味を保障してもダメでしょ? わたしは一応科学者だけれど、発明をしているだけで実用的な面までは考えているはずが無いわ。だから味については不問よ」
「いや考えろよ」
「それとも何? これを女子の手料理だとでも思っているわけ?」
「お前から貰うだなんてあまり嬉しくn「何か言った?」……いえ、すいませんでした」
 怖いよコイツ、怖いよ。誰か助けてよ。
「食べなさい」
「そんな命令口調で言われると更に食う気失うから」
「べ、別にアンタに食べて欲しくて作ったわけじゃないんだけど、でもやっぱり食べて欲しいって言うか……だ、だから食べなさいっ」
「そんな無表情でしかも棒読みでそんなこと言われても」
「あいががんばってつくったんだよ、おにぃ。だから……たべて?」
「そこはかとなく気持ち悪いから止めてくれ」
上目遣いヘタすぎるだろ、お前。あと文が読みにくくなるから止めろ。しかもまた棒読みだし。
「グヘヘ……おいたんの体液がたっぷr」「もう止めてえええええええっ!」
 痛すぎて見てらんないから! キモイから! 似合わねえから!
「…………確かに最後のはやり過ぎたわね」
 愛も自分で凹んでいた。完全に自業自得である。
「…………分かったよ、食べればいいんだろ? 俺が」
 もう充分引っ張ったため、俺は折れる事にした。まぁ犬猿の仲と言ってもいつもコイツが発明したのは俺が試験体となってやっているからな。というかそれ以外にする事がないのだ。結局のところ、俺はコイツを食べる運命にある。……怖ひ。
「早くそう言えばわたしも恥を晒さなくて良かったのよ。馬鹿じゃないの?」
 突っ込むときりが無いので、無視して俺は持っていた暗記パンとやらのアルミホイルを剥がしにかかる。すんなり剥がれた。確かにこれは、うん。パンだな。
「パン以外に見えねえな」
「逆にそれ以外に見えるのか訊きたいわね」
「で、普通に食えば良いのか?」
 すると愛は俺を鋭い目付きで睨んできた。
「んなワケ無いでしょうが」
 そのまま愛は自分の鞄を再びガサゴソと漁り始めた。
「何やってんだ?」
「……アンタ本家読み直してきなさい」
「…………」
 咳払いをする。
「確か、友治。アンタってまだ課題やってないとか言ってなかったかしら?」
「ああ、あるな」分子物理でメンドイのが一個。
「じゃ、それ見せて」
「あ? やってねえぞ?」
「良いから」
「ん、分かった」
 俺は言われたとおり、鞄から課題のノートを愛に渡した。
「ふぅ~ん……割と頑張ってんのね」
「付いてけてないがな」
「ダメじゃない」
「そんな事は良いだろ……。で、なんだ?」
「いや、これわたしはもうやってあるから。それを写してあげるわ」
「はぁ?」
 素っ頓狂な声で驚いた。愛、自他共に認める天才少女であるが……まさかそこまでとは。恐るべし。
「つか写してくれんのか?」
「ええ。まあ写すと言っても、あんたが、ってことになるけれど」
 ……まあ見せてもらえるだけありがたいか。そこは目を瞑ろう。
「じゃあこれをこうしてっと……」
 愛は本家と同じように、パンをノートでサンドウィッチする。入念に文字をパンに写るように押さえているが、あんなもの誰が食べたがるのだろう。愛が手を放すと、パンには鉛筆の跡がくっきりと残っていた。逆さ字であるのはあまり関係ないのだろうか。小さい頃からの小さな疑問を提示。
「ほら」
「いや、ほらって言われても」
 嫌嫌、パンを受け取る。うわ、鉛筆の跡が……。
「い、いただきます……」
 た、食べるのが躊躇われる…………。
 ……男は度胸、ぱくりと一口っ。
 ………。
 …………。
 ……………。
 
 ………………くぺっ。


     ◇◇◇


 一週間後――

『なぁ……』
「何かしら」
『これ、完全にお前のせいだと思うんだが』
「発明に失敗は付き物よ」
『……一昨日まで病院の集中治療室で死にそうになっていたんだが?』
「貴方の健康状態が悪かったのよ」
『誰のせいだ!?』
「だいたいあんたは胃が溶けてヤられたんでしょう? 妹さんじゃないの?」
『アイツの弁当でこんなになったことは一度もねえよ』
「今まで無かったからとはいえ、今回ならない、とは決められていないでしょう?」
『そこまで自分の非を認めたくねえのかよ……』
「…………認めないわ」
『あぁ? 何だって?』
「いえ、なんでもないわ。それじゃあわたし、この後講義あるからまたね」
『逃げんなぁぁぁぁあああああ!』
                          終わり
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